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京都、寺と寺のあいだにも街がある

「路地ごとに寺がひとつ」。カウチコロンブスが京都に付けた一行だ。本当にすべての路地に寺がある という統計ではない。地図を拡大するたびに目的地がもう一つ増えて、どこを到着点にすべきか少し ためらってしまう、という意味に近い。

仮想の散歩を描いてみる。寺のひとつにピンを刺し、次の寺まで線をつなぐ。二点だけを見れば短い移動 なのに、そのあいだを拡大すると交差点と家と道が入ってくる。文化遺産を見に行くつもりで広げた 地図で、先に出会うのは人が暮らす街のほうだ。京都をゆっくり読む方法は、ピンの数を増やすことより、 ピンとピンのあいだの空白をのぞき込むことかもしれない。

ひとつの名前に束ねられた複数の場所

ユネスコの「古都京都の文化財」は、一つの区域に集まった単一の施設ではない。京都と宇治、大津に またがる 17の構成資産 を束ねた名前だ。京都という名前を見て、すべて京都市内のひとつの町内に あると考えると、地図の大きさを取り違えてしまう。ユネスコはこれらの資産を通じて、日本の木造建築と 庭園文化が発展してきた姿を説明している。 ユネスコの古都京都の文化財の解説

一覧を一度に見尽くそうという気持ちを下ろすと、かえって区別が生まれる。ひとつの場所の建物と庭を 眺めること、次の場所へ移ること、街の外へ視野を広げること。この三つが異なる大きさの動きだという 事実である。地図の上ではどれも同じピンだが、ピンとピンのあいだの距離は同じではない。

ソウルから837km、時計はそのまま

サービスに保存された京都の座標は 35.0116, 135.7681 だ。ソウルの基準座標から球面最短経路で ある大圏に沿って測ると 837 km、出発時の方位は 東南東 である。経路が通る陸地を国単位で まとめると、韓国から日本へつながる。海の上の区間まで陸地だという意味ではない。

平面地図の上の線は、地球表面の道を広げて描いたものだ。だから大圏は地図の投影法によって曲線に 見えることがある。京都のように比較的近い目的地は、長い大陸横断経路より曲がりが目立たない。線が ほぼまっすぐに見えるからといって、計算の仕方が変わるわけではない。

時速850kmで移動し、地上移動0.5時間を足すサービスの単純計算は 約1.5時間 だ。これは二つの 都市の座標のあいだの距離を換算した値である。京都までの実際の航空便や、空港から市内へ入る時間を 表してはいない。ソウルと京都には時差がないので、時計を直す必要もない。同じ午後三時を指す二つの 都市のあいだに海が置かれていると考えると、837kmが少し具体的になる。

大阪を挟むとどれだけ回り道になるのか

ソウルから京都へ向かう仮想の旅程には、広島・神戸・大阪 が経由地の候補として入る。ソウルから 各都市までは606km、804km、829kmだ。京都とソウルのあいだの距離だけを知っているときより、日本の なかで目的地に近づいていく様子がよく見えてくる。

広島を一か所経由したときの迂回率は 1.10、神戸と大阪はそれぞれ 1.04 である。迂回率1.04は、 「ソウル→経由地→京都」の二つの大圏距離を足した値が、直行の大圏距離の約1.04倍だという意味だ。 鉄道の移動時間が4%増えるという意味でも、三つの都市をすべて経ても同じ比率になるという意味でも ない。それぞれの候補を個別に置いて比べた値である。

画面をもう一度京都まで拡大する。ソウルから渡ってきた837kmの線の先に、寺と寺のあいだの短い線が 入っている。遠くから見れば到着したことになり、近くから見ればこれから路地の入口だ。今日の仮想の 旅は、その入口で止まってもよい。次のピンまでの空白は、まだ残っている。

データと読み方の基準

距離・方位・経由地の数値は、カウチコロンブスの内蔵都市座標と京都のコンテンツ資料を基準にした。 都市間の経路は地理的な比較であり、実際の交通機関の経路や運行を意味しない。文化遺産の範囲は 上にリンクしたユネスコの資料で確認した。

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