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ローマは道を掘れば過去が出てくる

ローマには道が一層しかないわけではない。いま歩いている表面の下に先に敷かれた道があり、その下に また別の生活の痕跡があると想像させる。だからローマを思い浮かべるとき、「道を掘れば遺跡が出る」 という一行がふさわしい。実際に地面を掘る必要はない。地図を長く眺めるだけでも、一つの都市が 現在だけでは説明できないという事実が浮かび上がる。

この読みものでいう遺跡は、特定の名所の一覧ではない。都市が複数の時代の層を一つの画面に重ねて 見せる、そのやり方についての話だ。道路の名前、広場の形、古い壁と新しくできた生活の動線が一度に 見えるとき、ローマは時間を保管する場所というより、時間が塗り重ねられ続ける場所のように感じられる。

ソウルから北西へ曲がる線

ローマの座標は 41.9028, 12.4964 だ。ソウルから大圏に沿って測ると 8,966 km、方向は 北西である。画面の平面地図で線がまっすぐに見えない理由は、ソウルとローマを結ぶ最短経路が 地球表面上の大圏だからだ。球面で短い線は、平面に移すと曲がって見えることがある。

サービスがこの経路に沿って表示した国は 韓国 → 北朝鮮 → 中国 → モンゴル → ロシア → ウクライナ → ハンガリー → ルーマニア → ハンガリー → クロアチア → ボスニア・ヘルツェゴビナ → クロアチア → イタリア だ。実際の航空便の運航経路を予報する一覧ではないが、目的地までの方向を 国の連なりとして読み替えさせてくれる。ソウルからローマまでは「ヨーロッパ」という一語で飛び越せる 道ではない。国境と海と大陸が順に入ってくる。

11時間が過ぎても時間は残る

このサービスの巡航基準の推定値は 約11.0時間 だ。時速850kmと地上移動0.5時間を仮定した値 なので、実際の行程表ではない。それでも8,966 kmという数字を身体の感覚に翻訳してくれる。一度の 長い移動に耐えたあと、変わるのは風景というより、一日の基準点そのものだ。

ローマの時間帯は Europe/Rome、ソウルより 7時間遅い。ソウルの午前がローマではまだ 夜明けに近いことがあり、ソウルの夕方がローマでは一日を始める時刻でありうる。このデータセットに 記録された人口は 約2,318,895人(GeoNames) だ。座標は一点だが、その一点に重なっている 時間の量は、人口のように一度に数えることが難しい。

対蹠点は -41.9, -167.5 で、海のど真ん中(陸地なし) に置かれる。ローマの反対側に都市が ないという事実は、この都市の層をいっそう鮮明にする。一方の端には足元の時間が積み重なり、 反対の端には水しかない。

道筋もまた小さな年代記だ

ローマ行きの候補のうち 大連 はソウルから493km、迂回率1.01だ。青島 は610kmで1.03、 福岡 は540kmで1.12である。これらの数字は観光の順序を薦める情報ではない。出発地から近い都市を 一つ入れたとき、最終目的地までの線がどれだけ伸びるかを示す値だ。

もう少し細かく見れば 長崎 597km・1.13、広島 606km・1.13、別府 627km・1.14、 松山 667km・1.15、高松 730km・1.16 も候補になる。ソウルからローマまでの長い距離を 一度に覚える代わりに、493kmや610kmといった短い間隔に分けてみると道が読める。それぞれの経由地は 目的地の一部ではなく、目的地へ向かう方向をひととき確認するための標である。

ローマを「道を掘れば遺跡が出る場所」と呼ぶのは、過去が現在を押しのけるという意味ではない。 現在の道の上に過去の道が重なり続けているという意味だ。ソウルから8,966 km離れた場所まで向かう 仮想の線も同じである。一枚の地図の上に複数の国と時間が重なる。ローマはその重なりを隠さない都市 として残る。

確かでないこと

  • なし
ローマへの旅をつくる